キノコ観察会報告

　コロナ禍・台風など不測の事態が続き、３年ぶりの秋が瀬公園の観察会でした。公園内はよく整備されて、かつての台風で荒れた痕跡はほとんど見られず、この日の秋晴れも加わり快適なきのこ観察日和でした。長い酷暑の夏も終わり程よいお湿りもあり、大いに期待を膨らませて臨みましたが、きのこの発生はいまひとつで、同定会に提出されたきのこはサルノコシカケ類が多く、ハラタケ類のきのこは僅かでした。一方、この時期の秋が瀬公園によくみられる美味しいきのこのヒラタケ・ハタケシメジ・ササクレヒトヨタケ・ヤナギマツタケ・ヌメリスギタケモドキなどはかなり発生していたようで、収穫に満足された方も多くおられたようでした。ただ、晩秋のきのことして人気の高いムラサキシメジが見られなかったのは残念でした。
　同定会では提出された５０余種のきのこのうち３７種が同定され、ハラタケ類では常連組の上記美味種のほかにヒメムラサキシメジが、サルノコシカケ類ではお馴染みのチャミダレアミタケ・チリメンタケ・ハカワラタケなどのほか、シワタケ・マゴジャクシなどが、スッポンタケ類ではスッポンタケとキツネノタイマツが、キクラゲ類ではアラゲキクラゲ・ハナビラニカワタがそれぞれ同定されました。また、神奈川きのこの会の中島さんが同定に加わってくださり、コゲチャハリタケ属、カワタケ属、Rhytidhysteron属などを同定されました。
　昼食後は福島会長の当日同定された種についての解説があり、美味しいきのこの紹介、それぞれの種の特徴、培養に関するエピソードなど詳細かつ多義にわたるお話に、参加社の皆様はメモを取るなど熱心に聞き入っておられました。同定会終了後は、去りやらぬ気持の方々の検討会が続きましたが、午後３時を過ぎるころ充実した内容のこの日の観察会は解散になりました。

　　　　　　 　　　　
　　　 ヌメリスギタケ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヤナギマツタケ

　
　　　　　　 　
　　　ヒラタケ（沼の倒木）　　　　　　　　　　　　　　　オオチリメンタケ


　　　　　　　 　
　　 オオミノコフキタケ（ヤナギ）　　　　　　　　　　　アオゾメタケ


　　　　　　
　　シワタケ（表）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シワタケ（裏）

　　
　　　　　　
　　ニクウスバタケ　　　　　　　　　　　　　　　　　　カワウソタケ（桜立枯れ）

秋ヶ瀬公園確認種　（３７種）